遺品整理

遺品整理の費用相場一覧|間取り別・作業内容別の料金比較

遺品整理の費用について調べると、「1Kで3〜8万円」「3LDKで17〜50万円」といった幅の広い数字が並びます。自分の家が結局いくらになるのかが見えない、という方は多いのではないでしょうか。間取り別の相場を見てもピンとこないのは、費用が間取りだけでなく、作業内容・荷物量・建物条件の4要素で決まるからです。

遺品整理の費用相場

筆者は父の遺品整理を実家で経験し、自力中心で進めました。自力で進められたのは、持ち家で退去期限がなく、近距離で複数回通え、週末に協力者を確保できたという条件がそろっていたからです。条件が一つでも欠ければ、業者依頼が現実的な選択肢になっていたと思います。

本記事では間取り別相場に加え、見積もりの内訳、同じ間取りでも金額が変わる理由、費用を抑える具体策までを一通り整理します。

遺品整理の費用相場|間取り別の全体像

遺品整理の費用相場|間取り別の全体像

遺品整理費用の相場感は、間取り別に整理すると把握しやすくなります。

業者依頼の場合、1R・1Kで3〜8万円、2LDKで12〜30万円、4LDK以上で22〜60万円程度が目安です。ただしこの数字は民間集計ベースの参考値であり、公的な全国統計ではありません。

総務省行政評価局の調査報告書(令和2年3月)でも、調査協力業者から提供された見積書75例のうち10万円超〜40万円の間の金額が多くを占めたと報告されており、民間集計と大きなズレはないようです(ただし同報告書は「統計的サンプリングではなく実績値ではない」と注記しています)。ここでは全間取りの料金表と、業者依頼vs自力の比較を整理します。

全間取り別の費用相場一覧

遺品整理を業者に依頼した場合の費用を、1R〜4LDK以上までまとめました。以下は民間集計ベースの参考値です。

間取り費用相場作業人数目安作業時間目安
1R・1K3〜8万円1〜2名1〜2時間
1DK5〜12万円2〜3名2〜4時間
1LDK7〜20万円2〜4名2〜6時間
2DK9〜25万円2〜5名2〜6時間
2LDK12〜30万円3〜6名3〜8時間
3DK15〜40万円3〜7名4〜10時間
3LDK17〜50万円4〜8名5〜12時間
4LDK以上22〜60万円4〜10名6〜15時間

(参照:遺品整理の費用相場はいくら?|みんなの遺品整理(掲載業者800社以上のHP、3万人以上の利用金額データから算出。2024年2月12日時点/ページ更新日2026年3月21日)/遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書(PDF)|総務省行政評価局(令和2年3月)

同じ間取りでも金額に大きな「幅」がある理由は、後述の「6つの変動要因」で詳しく整理します。戸建ての場合は同じ間取りのマンションより荷物量が多い傾向があり、一軒家の2LDK〜3LDKで40〜80万円のケースも業界情報では報告されています。

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業者に依頼した場合 vs 自力でやった場合の費用比較

業者依頼と自力では費用に大きな差がありますが、自力には「時間と体力」という見えないコストがかかります。

間取り業者依頼の目安自力の目安差額
1K3〜8万円1〜2万円2〜6万円
2DK9〜25万円2〜4万円7〜21万円
3LDK17〜50万円3〜5万円+相当な時間・体力14〜45万円

※自力費用は、東京23区の粗大ごみ料金(1点400〜2,800円)と家電リサイクル料金の主要メーカー値(550〜4,730円)等を組み合わせた筆者試算による参考値です。実際の費用は処分量・自治体・運搬手段で変動します。

自力で完結できる難易度は間取りで異なります。1Kなら2〜3日で終わることが多く現実的ですが、2DKでは1〜2週間、3LDK以上では完全自力は難しいケースが多いとされています。「完全自力」か「完全業者依頼」かの二択ではなく、中間解のハイブリッド方式も有効です(後述の「費用を抑える5つの方法」で試算を交えて解説します)。

筆者が自力中心で進められたのは、戸建ての持ち家・近距離・家族の協力という条件がそろっていたからです。賃貸で退去期限があり遠方で一人対応なら、業者依頼が現実的でした。

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作業内容別|見積もり書の「内訳」を読み解く

作業内容別|見積もり書の「内訳」を読み解く

業者の見積もり書には「一式30万円」と書かれたものから項目別に分解されたものまで幅があります。ここでは費用の内訳を整理し、追加請求トラブルを避ける視点を提供します。LIFULL seniorの2023年調査(直近5年以内に業者依頼した500名対象)では、約半数(47.2%)が追加請求を経験しています。

基本料金に含まれる主な作業

「基本料金」の定義は業者により異なりますが、一般的に含まれる作業は以下の通りです。

作業項目内容料金の考え方
仕分け・梱包残す物と処分する物の分別作業人数×時間で算定
搬出作業荷物を室外へ運び出す同上
不用品の処分廃棄物処理場への運搬・処分処分量(トラック台数)で変動
車両費トラックの燃料費・駐車料金2tショート〜4tで数千円〜数万円
簡易清掃搬出後の掃き掃除基本料金に含む業者が多い

同じ「3LDK 25万円」でもA社は簡易清掃込み、B社は別途5万円というケースがあります。見積もり比較では「基本料金の範囲」を揃えることが重要です。

オプション扱いになりやすい作業

総額を大きく動かすのはオプション部分です。特殊清掃や解体撤去は10万〜数十万円単位で総額を動かします。

オプション項目料金目安内容
ハウスクリーニング2〜15万円簡易〜本格清掃
特殊清掃10〜50万円孤独死・腐敗汚染がある場合
家電リサイクル料(家庭用主要品目)550〜6,149円/点+収集運搬料3,000円程度エアコン・テレビ(有機EL含む)・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機
供養・お焚き上げ5,000円〜10万円合同か個別か、業者経由かお寺直接かで差
仏壇・神棚処分1〜5万円供養付きか廃棄のみかで差
遠方・階段加算数千円〜数万円2階以上・エレベーターなし等

家電リサイクル料は2026年2月1日付でパナソニック・ダイキン・東芝ライフスタイル等がエアコン990円→550円に引き下げ済みですが、一部メーカーは990円のままです。最新値は家電リサイクル券センターで確認できます。

(参照:再商品化等料金一覧|家電リサイクル券センター

筆者の実家でも仏壇の処分方法で迷いました。個別供養か合同供養かで費用は大きく変わり、故人との関係性・親族の意向・予算で決まる判断でした。

見積もり書のチェックポイント+契約前チェックリスト

国民生活センター見守り新鮮情報第525号(2025年10月30日)では、「当初20万円と聞いていたが作業後30万円と言われた。見積書はもらっていない」「残す約束の物まで処分された」といった相談事例が報告されています。以下の8項目を確認することでトラブルを防げます。

【見積もり書チェック(5項目)】

  1. 項目別の内訳が書面で出ているか(「一式」だけはNG)
  2. 基本料金に含まれる範囲が明記されているか
  3. 追加請求が発生する条件が書かれているか
  4. 見積もりの有効期限が書かれているか
  5. 訪問見積もりの上での金額か(電話だけの概算は追加請求リスク大)

【契約前チェック(3項目)】

  1. 許認可(一般廃棄物収集運搬業許可・古物商許可)の確認
  2. 損害保険・補償制度の有無
  3. キャンセル料・違約金の条件

(参照:遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に|国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号遺品整理業者に依頼した人のうち、何らかのトラブル経験者は約4割|LIFULL senior

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同じ間取りでも料金が2〜3倍変わる|6つの変動要因

同じ間取りでも料金が2〜3倍変わる|6つの変動要因

料金表の「幅」は誤差ではなく、条件によって実際に2〜3倍違うために生じます。ここでは影響度が大きい順に6つの変動要因を整理します。

①荷物量(最大の変動要因)

トラックが1台→2台に増えれば処分費・運搬費はほぼ倍増します。1Kで軽トラ1台程度、2DKで2tショート〜ロング1台、3LDKで2tロング1〜2台が目安です。押入れ・物置・ベランダまで満杯だと1〜2段階上がるケースが多く、見積もり時は「トラック台数の見立て」を必ず確認しましょう。実際の現場では通販段ボールの山や未開封のタオル・毛布のストックなど想定外の荷物が出てくることも少なくなく、事前の訪問見積もりの重要性はここにもあります。

②建物条件(階数・エレベーター・搬出経路)

エレベーターなし2階以上は階段加算(1階あたり数千円〜1万円程度)が入るのが一般的です。マンション管理組合の搬出ルール(エレベーター養生必須、搬出時間帯制限など)でも作業効率が落ちます。道路が狭くトラックが前まで入れない場合は台車・手運搬で人件費が加算され、戸建てでは敷地内にトラックが横付けできるかどうかも大きな変動要因になります。

③地域差(都市部 vs 地方)

業者により異なりますが、一般に都市部は人件費・処分費・駐車料金の関係で地方より1〜3割高い傾向があるとされています。一方、地方は業者数が少なく相見積もりの効果が出にくい場合もあります。同じ3LDKでも首都圏と地方では数万円単位で違うケースがあるようです。地方で近隣に業者が少ない場合は出張対応可能な大手業者に声をかける選択肢もありますが、出張費が追加になることがあります。

④業者タイプ

遺品整理業者は仕分け・供養まで丁寧(費用中〜高)、不用品回収業者は処分中心でスピーディー(費用安め・仕分けは自力前提)、ゴミ屋敷清掃業者は特殊清掃が得意(費用高め)です。実家は遺品整理業者、単身賃貸は不用品回収業者が基本的な使い分けの目安です。

▶ 関連記事:実家の片付け業者の費用相場|自力でやる場合との比較と選び方

⑤オプションの有無

一例として、3LDK基本料金25万円+ハウスクリーニング10万円+仏壇供養3万円=合計38万円と、基本料金の約1.5倍になることもあります。同じサービスが基本料金に含まれるか別料金かは業者次第のため、比較時は要注意です。

⑥繁忙期・土日祝対応

繁忙期(3〜5月、年末年始、お盆前後)は1〜2割高くなる業者もあるとされています。土日祝は数千円〜1万円の上乗せがある場合も。急ぎでなければ閑散期・平日を選ぶことで抑えられますが、退去期限がある場合は時期を選べません。

遺品整理の費用を抑える5つの方法

遺品整理の費用を抑える5つの方法

費用相場は業者の定価ベースであり、工夫次第で抑えられる余地があります。ここでは5つの方法を整理します。

①複数社から相見積もり(最低3社)

同じ条件でも業者によって数万〜数十万円の差が出るため、最低3社の比較が基本です。2社では偏りの検知が難しいため3社以上が推奨されます。一括見積もりサービスを使えば入力1回で複数社から見積もりが届き、業者間の競合で価格交渉の余地も生まれます。相見積もりでは条件(荷物量の見立て・作業範囲・オプションの有無)を揃えることが重要です。

②自力で先に仕分け・貴重品確認をしておく

「残す物」「処分する物」の大まかな仕分けと貴重品確認を済ませておけば、業者の作業時間が短縮され見積もりが下がります。1日〜週末の作業で業者費用を1〜3割抑えられるケースもあるようです。重要書類(保険証券・契約書・不動産関連書類)も事前に確保しておくと相続手続きがスムーズになります。

③ハイブリッド方式|自力+業者の組み合わせ

自力でできる範囲(仕分け・粗大ゴミ処理)を済ませ、残り(搬出・大物処分・清掃)を業者に頼む方式です。

方式費用目安時間・体力コスト
完全業者依頼15万円前後立ち会いのみ(半日程度)
ハイブリッド7〜10万円事前に1〜2日の自力作業
完全自力3〜4万円+相当な時間・体力2〜3週間の断続的作業

※試算前提:業者料金はみんなの遺品整理の2DK相場中央値付近。粗大ゴミ料金は東京23区の一般的な料金(1点400〜2,800円、5段階)を基準に粗大ゴミ10〜15点を想定。家電リサイクル料は主要メーカーの目安値を使用。実際の金額は処分量・自治体・業者・時期によって変動します。

1DK〜2DKで最も効果が出やすく、3LDK以上では自力部分の負担が大きく効果は限定的です。

筆者の実家ケースは完全自力に近い形で費用は3万円程度でした。ただし持ち家・近距離・協力者ありという条件がすべてそろった特殊ケースです。条件が一つでも欠ければ、ハイブリッドか完全依頼が現実的だったと思います。

④買取可能な遺品を併用する

5年以内の家電、ブランド品、貴金属、骨董品などは買取対象になりやすく、実質費用を下げられます。遺品整理業者に買取部門がある場合は見積もりから差し引いてもらえます。ただし故人の愛用品を売ることに抵抗がある場合もあるため、親族間で合意を取ってから進めるのが無難です。

⑤自治体の粗大ゴミ回収を活用する

東京23区の粗大ごみ料金は1点400〜2,800円程度で、業者の処分費(1点3,000〜10,000円程度)と比べて1/2〜1/8程度に抑えられるケースがあります。ただし予約制で回収まで1〜2週間かかるため、退去期限がある場合は早めの手配が必要です。

なお、家電リサイクル法対象4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機。2024年4月から有機EL式テレビも対象)は粗大ゴミでは処分できません。また、他の自治体の自宅にゴミを持ち帰って捨てるのは廃棄物処理法違反です。

▶ 関連記事:遺品整理で出た不用品の処分方法(準備中)

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遺品整理の費用は誰が負担する?

遺品整理の費用は誰が負担する?

遺品整理費用の負担者は相続人とされるのが一般的ですが、相続放棄や賃貸物件のケースでは扱いが変わります。法律的な詳細は専門領域に関わるため、不明点は弁護士・司法書士への相談をお勧めします。

原則|相続人が負担(条文根拠は限定的)

遺品整理費用の負担者について法律上明確に定めた条文は存在しません。民法第885条「相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する」を準用する考え方や、民法第896条に基づき相続人が負担するのが一般的な扱いとされています。ただし遺品整理費用が常に「相続財産に関する費用」に該当するかは見解が分かれ、葬儀費用と同様に議論があるようです。相続人が複数いる場合は法定相続分に応じた分担か協議で決めるのが一般的です。

(参照:民法|e-Gov法令検索(第885条・第896条)

相続放棄・賃貸/連帯保証人がいる場合の扱い

相続放棄する場合:放棄すれば費用負担義務も原則免除されます。ただし放棄前に価値ある遺品の売却・廃棄や建物の取り壊し(解体)等に着手すると「単純承認」とみなされ放棄できなくなるリスクがあります(民法第921条第1号)。放棄後でも相続財産の隠匿・私的消費は同条第3号により単純承認とみなされます。一方、判例上は形見分けや経済的価値が皆無の物の処分は「処分」に当たらないとされており、判断は個別的です。ただし家屋の取り壊し等は「処分」に該当するとされ、単純承認とみなされるリスクが高いとされています。判断に迷う場合は着手前に専門家への相談を強くお勧めします。

賃貸で連帯保証人がいる場合:連帯保証人が原状回復費用を負担することがあります。孤独死保険が契約されていれば保険から費用がまかなわれる場合もあります。相続人・保証人がいない場合:家庭裁判所への「相続財産清算人」選任申立てが必要で、専門家への相談が推奨されます。

遺品整理費用に関するよくある質問

遺品整理費用に関するよくある質問

本文で扱いきれなかった疑問をFAQ形式で整理します。

Q1. 遺品整理費用は税金控除になる?

原則として所得税の医療費控除や相続税の控除対象にはならないとされています。ただし賃貸退去に伴う原状回復費用等として相続財産から差し引ける場合もあるようです。具体的な扱いは税理士への確認をお勧めします。

Q2. 補助金・自治体の助成制度はある?

全国一律の補助金制度はありません。一部自治体に高齢者世帯向けの片付け支援がある場合もあるため、故人が住んでいた自治体の福祉課・環境課に問い合わせるか、公式サイトで最新情報を確認してください。

Q3. 業者に見積もりだけ取るのは無料?

無料としている業者が大半です。ただし「出張費」「見積もり料」を取る業者もあるため、事前に一言確認しておくとトラブルを避けられます。

Q4. 見積もりを取った後にキャンセルできる?

契約前のキャンセルは無料の業者が多いようです。契約後は作業日の7日前まで無料、3日前30%、前日50%など業者により異なりますので、契約前にキャンセル規定を確認しましょう。

Q5. 最安で抑えるには完全自力にすべき?

費用だけなら自力が最安で業者依頼の1/3〜1/8程度になるケースがありますが、時間・体力・精神的負担は大きく、3LDK以上では現実的でないことが多いとされています。「ハイブリッド方式」が折衷案として検討に値します。

まとめ

遺品整理費用は間取り・作業内容・荷物量・建物条件の4要素で決まる構造であり、相場は出発点にすぎません。自分のケースの条件(賃貸か持ち家か、遠方か近距離か、協力者の有無、期限の有無)を当てはめて判断する必要があります。費用を抑えるには「複数見積もり・自力仕分け・ハイブリッド方式・買取併用・自治体回収」の5つが基本です。追加請求トラブルを避けるため、訪問見積もり+項目別内訳の書面確認は必ず行ってください。

まずは相場を確かめたい・複数業者を比較したい方 → 一括見積もりサービスの活用が便利です(別途公開予定の業者比較ページで詳しくご案内します)

自力中心で進めたい方遺品整理は自分でできる?実際にやってわかった手順・費用・限界点で具体的な手順を解説しています

  • この記事を書いた人

テツ

自分自身も経験して困った遺品整理について、同じように困っている方の少しでも参考になるようにとサイトを開設しました。専門家ではありませんが、丁寧に調べて情報としてまとめています。ぜひ参考になれば嬉しいです。

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